睡眠で疲労を回復する！

睡眠は肉体的な疲労や精神的な疲労など、あらゆる疲労回復に役立ちます。

疲労回復物質ＦＲ（以下、ＦＲ）は傷付いた細胞の修復作業を２４時間休まず行っています。
しかし、活動的な昼間は、疲労物質ＦＦ（以下、ＦＦ）も多くなっていますので、ＦＲが一生懸命働いても、ＦＦの増加量が多くて、細胞の修復が追いつきません。

一方、夜間（睡眠中）は、活動が少なくなってＦＦの発生量が減少しますので、ＦＲの働きが上回って細胞の修復が進行することになります。

これが睡眠が疲労回復の特効薬とされている理由で、傷付いた細胞を修復して疲労を解消するためには不可欠な時間なのです。

昼寝でも疲労回復は進められる！

昼寝やうたた寝も疲労回復には効果的であることが知られています。

これは、ＦＦがただ立っているだけでも増加するという反面、横になって目をつぶるだけでも減少するという性質を持っている為です。

仮眠の場合は、静かな場所で２０〜３０分寝るのが理想的とされています。

睡眠時の気を付けたいポイント！

●睡眠時間を確保することは重要ですが、より効果的に疲労を回復するには「睡眠の質」も重要であり、睡眠の深いノンレム睡眠の時に、脳の神経細胞の修復が行われると考えられていますので、いかにノンレム睡眠を得られるかが重要です。

●就寝直前の入浴は、寝つきを悪くしてしまう恐れがありますので、就寝１〜２時間前には、入浴を終えるようにしましょう。

●一定の時間に寝て一定の時間に起きる事で、生体リズムを整え、快眠を得ることが出来ます。

●就寝に近い時間の食事は、消化活動が睡眠を妨げてしまいますので控えましょう。
また、就寝前のコーヒー・緑茶などは覚醒作用がありますので、出来るだけ避けましょう。

入浴で疲労を軽減する！

入浴には疲労を和らげる効果がありますが、これは入浴によって血行が促進される為で、血液の流れが良くなると、体に溜まった老廃物が血液と一緒に流されて排出されます。

肩や首の凝りが和らいだと感じるのも、足のむくみが取れたと感じるのもこの為です。

半身浴で疲労回復効果を高める！

入浴には、全身浴、半身浴、足湯など様々なスタイルがありますが、通常、上半身を温めると交感神経が優位に、下半身を温めると副交感神経が優位になることが知られています。

その為、入浴時は、全身浴よりも半身浴の方が自律神経への負担が少なく、癒し効果が得やすいと考えられています。

※温泉や大浴場などでは熱いお湯が多いのですが、熱いお湯に長時間、我慢して入ることは体にとって大きなストレスとなって、結果的に活性酸素を増やし、疲労を蓄積させてしまいますので、ご注意下さい。

食品で疲労を回復する！

産学官連携の「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」が行った臨床試験で、食品成分２３種類について抗疲労効果を調べたところ、いつくかの成分について効果が確認されています。

また、抗酸化作用を発揮する食品が、抗疲労物質として期待できることは事実ですが、残念ながら全ての抗酸化物質が優れた抗疲労効果を持っている訳ではありません。

下記に、抗疲労効果が確認できた代表的な食品を紹介していますので、毎日の食事レシピに上手に取り入れて、疲労回復に役立てて下さい。

最強の抗疲労成分イミダペプチド！

鶏の胸肉、豚ロース、カツオなどの食品に含まれるイミダペプチドが最強の成分です。
ヒトを対象にした実験において、�@パフォーマンスの低下の抑制、�A疲労感の軽減、�B細胞の酸化や損傷を抑える作用の３つの点で検証され、効果があることが確認されています。

黒酢やレモンに含まれるクエン酸！

柑橘類に多く含まれるクエン酸は、ＴＣＡ回路（クエン酸回路）の働きを活発にして体のエネルギー効率を高め、細胞に掛かる負担を和らげる事で、疲労の緩和に役立ちます。

軽い運動で疲労を軽減する！

軽い運動は疲労軽減に効果があることが確認されています。

ＦＦに対するＦＲの反応性が高くなれば、結果的に疲労緩和が促進します。
また、軽い運動は、血行を良くする効果もありますので、ＦＦの源でもある細胞の老廃物をスムーズに排出する効果にも期待出来ます。

※軽い運動とは、ウォーキングやストレッチなど息が上がらない程度のものです。

みどりの香りで疲労を軽減する！

アロマオイルやお香などは癒しのアイテムとして人気となっていますが、中でも疲労回復に役立つことが科学的に証明されているのが「みどりの香り」です。

具体的には、緑葉に含まれる「青葉アルコール」や「青葉アルデヒド」と呼ばれる成分で、みどりの香りについては、ヒトを対象とした試験においても、優れた抗疲労効果を示しています。

みどりの香りの疲労回復効果を得るには、出来る限り負荷が掛かっている最中（疲労負荷状態）が効果的とされています。